病院入院中の自活できない末期がん患者に「生活保護」の適用はあるのでしょうか。
質問
病院入院中の自活できない末期がん患者に「生活保護」の適用はあるのでしょうか。
私の友人で現在末期がん患者(肺がんから脳へ転移し悪性腫瘍を発症させる)として入院生活を強いられている男性がおります。
彼は来年の1月で還暦を向かえ、在籍する会社も退職となりますが退職金制度はなく、かなりの低賃金の会社でもあったこともあり、現在の所持金(預金)はせいぜい数万円といったところでしょうか。
現在の収入源は加入している医療保険と傷病手当だけのようです。
血縁は確かにおられ、万一に備え身元引受人をお願いしてはいるものの、絶縁状態が長く交流や経済的な繋がりは一切ありません。
彼は「手の施しようがない」という理由で大病院を追われ、現在入院する病院の院長の云わば好意、親切でそこにお世話になっているといった状況です。
彼が働けない状態になり、私は友人として「介護」「医療」の両面から色々と準備をしてまいりましたが、近頃、病院費用の支払いなどにより上記の通り経済的にかなり逼迫しているようです。
これまでも役所に「生活保護」申請を申し入れてはいるのですが、医療保険、傷病手当や将来支給される年金などの収入源を理由に認定の具体化には至らない状況です。
また、脳腫瘍に水頭症を患っているために今後昏睡や意識障害などの状況に陥った時に、これらの申請手続きさえできなくなる可能性があります。
万一そうした状況が訪れた時、病院側に損失が生まれる可能性すら懸念されます。
そうした状況を回避する為の資金管理者の選任も身内からということにも相当に無理があるようです。
彼は脳の影響で思うように歩けない状態であり、自活した生活など全く不可能な状況でありながらも生きることに執着し、日々を過ごしておりますが、現実の生活環境は「ベッドの上」だけであり「日本国民として健康で文化的な最低限度の生活」などという「生活保護の基本理念」にも程遠い状況を強いられているのです。
老人介護の世界では安全、安心の上に快適性、ゆとり、潤い、自由といった精神的な充実を求める方向へ突き進んでいる状況であるにも拘らず、彼の現状はこうした社会の方向とはまるで無縁の世界に一人取り残されているという実感さえ持ってしまいます。
これ以上の「社会的弱者」もいないと思うのですが、こうした状況でありながら、所持金はないが”請求、申請”すれば、いくらかの金銭が手に入るという不透明な状況判断で役所は「生活保護」実現にあくまでも消極的です。
「生活保護」には社会福祉云わば弱者救済という基本理念が底流している筈ですが、役所の行動はどうも「枠」に捉われすぎているように思えるのですが、「生活保護」実現に向けた具体的な手法、方策といったものはないのでしょうか。
問題は自転車操業的な収支の浮き沈みにより所持金の残高が確定しないところにあるように思うのですが、どうか良い知恵を授けていただければ幸いです。
回答
持てる資産、能力を活用してもなお、国で定める最低生活費を下回る収入しかない場合、生活保護の受給を受けることができます。
行政の窓口は、生活保護の申請があっても、相談のみで終わったとし、申請を受け付けない「水際作戦」をおおっぴらに行っています。
国で定める「最低生活費」は、居住地、年齢によって若干違いがあります。
各人さまざまの状況がありますので、一度電話ください。
おそらく、必要だとは思いますが、近郊ならば申請同行します。生活保護の申請同行はボランティアでしています。
司法書士藤本事務所
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藤本 裕嗣
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